アート展キャプション公開 ~帰宅部編~

 

みなさん、こんにちは宣伝担当です!
8月29日(木)~9月29日(日)にMAGNET by SHIBUYA109で開催された、
『Caligula -カリギュラ-』3周年記念アート展。
多くの方に来場いただき、トークイベントも大いに盛り上がりました。

一方で、地方のお住まい方などには、アート展に行きたいけど行けない。
との声も多くいただきまして、この度アルマビアンカ様のご厚意で、
アート展にて展示したプロデューサーの山中と、
イラストレーターのおぐちさんのキャプションを、
当ブログにて公開したいと思います。

かなりのボリュームとなるため、
まずは帰宅部編からです!

なお、記載されている内容にはネタバレを含むため、
ゲーム未プレイの方やネタバレを避けたい方は、
ブログをそっ閉じしてくださいませ。

■主人公(男)主人公_500
プレイヤーの写し身であり、妄想の器になる存在なので、
どんな性格でも当てはめられる容姿になるように微調整した覚えがあります。
アツくてもクールでもキザでもヘタレでも通るようにと。
アイテムも性格を決定づけない、どっちとも取れないものばかりです。(山中)

カリギュラ全般、
ガワだけではすべてが伝わらないようにという話で進めていきましたね。
キャラデザとしては邪道なんですが、
カリギュラでは”人は一見しただけではわからない”というのが大事なので、
そこの共通認識がありましたね。(おぐち)

■主人公(女)002_主人公(女)
正直、自信作ですよね……。(おぐち)

そうっすね……。(山中)

ODに関しては僕と山中さんの中で共通認識が出来上がっていたので、
とにかく早かったです。
お客さんがどこらへんまでなら
受け入れてくれるかもある程度わかったし。(おぐち)

男主人公は曖昧な要素だけを選ぶことで器のふわふわ感を出したんですが、
女主人公に関しては顔・服・声と対極の要素を複数用意することで
平均値としてのふわふわ感に落とし込むという
違うアプローチでの主人公描写でした。(山中)

■佐竹笙悟
101_笙悟
笙悟が受け入れられるかどうかが重要みたいな話はずっとしていましたね。
本来キャラクターデザインというのは”わかりやすく作る”が鉄則なんですが、
カリギュラはあえて”わかりにくいもの”を作ろうというコンセプトなので、
わかりにくさの極致である笙悟が大事でしたね。(おぐち)

「わかりにくい」だけだと成立しないんですが、
「わかりにくい」→「だから気になる」
「だからこそ知りたい」というユーザーとの関係性がきちんと作れれば
コンテンツになりうるという持論でした。
社内レビューではボロクソでしたけど(笑)信じて進んで良かったなと思います。(山中)

■響鍵介
104_鍵介
鍵介はなぁ~。シナリオ書いてるときから顔が浮かんでた気がしますね。
アーティストに憧れている意識の高いワナビーみたいな子なので……
なんか……かわいいやつですよ。本当。(山中)

最初は敵というキャラクターなので、
見せ方は苦労しますけれどデザインとしてはとても楽しいですよね。
靴下が黄色だったりとか
「ちょっと他人と違うぜ」っていう感じが彼のポイントですよね。
リアルでもキャラらしさを真似できるっていうのはいいですね。(おぐち)

■巴鼓太郎
103_鼓太郎
好きですね……。(おぐち)

鼓太郎のサングラスみたいな、
”外し”って作品の中で重要だと思うので
この並びに鼓太郎がいることが本当にでかいですよ。
親しみやすいダサさみたいなものって必要不可欠だと思っていて。
それを怖がらずにやれてよかったなって思ってます。(山中)

デザイン的な話をすると、
Tシャツにがっつり絵の模様が入ってるキャラクターって
珍しいんでそれができたのはよかったですね。
新しいことデキたな~って感じがして。(おぐち)

■峯沢維弦
102_維弦
正統派美形ですね。美形を作ってくださいというのがマストの発注でした。
素直といえば素直ですね。
このビジュアルがこの世界観の中で一番の美形です
というラインを引くキャラクターです。ですので、
最初に上がってきた維弦くんは割と悪役感が強かったこともあって
リテイク出したの覚えています。(山中)

そうですね、割と険のある感じで出した気がします。
この人のことを知りたいと思わせるモチベーションを保つために、
とにかくかっこよくというのはやりきれたかなと思います。(おぐち)

■琵琶坂永至
109_琵琶坂 永至
琵琶坂。(山中)

うーん、琵琶坂。楽しかったですね。(おぐち)

明確だった気がしますね。
彼を作る上でやらなきゃいけないこともやるべきことも。
デキるやつって刈り上げるよね、みたいなね。(山中)

そうですね。ツーブロックにしますよね。
キャラクターデザインとしては邪道なんですけどね。
これだけのアシンメトリー。(おぐち)

左右反転して違うデザインになるの開発にも喜ばれないしね。
360度回転してもキャラクターの印象がブレないようにするのが
鉄則だと思うんですけど、琵琶坂はどっちの角度から見るかで顔が違う。
それこそが琵琶坂なのかもしれない。(山中)

■柏葉琴乃
105_琴乃
琴乃さん。琴乃さんは中身が中身なので、
まっすぐ正統派ヒロイン風にしたいですっていう発注でしたね。(山中)

そうですね。メビウスっていうなりたいものになれる世界の中で
とってもまっすぐ見た目を選択した子というか。(おぐち)

ある種琴乃さんは男性の目線のためにこの姿を選んだ人なので、
この格好は他人のためにある格好なのが面白いですよね。
ファッションは自己表現の側面もあるんですけど、
琴乃にとってのファッションは
他人ウケ全振りで服を着てるところがリアルで好きです。(山中)

ゲームとしてはウケのために服を着るというのはとても王道なんですけれど、
カリギュラの中ではちょっと違和感がある。それがいいですよね。(おぐち)

■篠原美笛
107_美笛
健康美、健康的なエロスというものを意識していた気がします。
蠱惑的な、というな露出が多いエロスではなくて、
ただただ女性が健全で健康的であるというところから
出る魅力を体現できればという感じでしたね。
ステレオタイプな女性性から遠ざけることでもそれって表現できるよなぁって。(山中)

女の子キャラ全般に言えるんですけれど、
パッと見で好きではなくて踏み込んで好きになれる感じを目指しましたね。
それはもうカリギュラがキャラデザ発注してもらって
終わりという仕事の関係性じゃなくて、
がっつり二人で話せたから挑戦できたことだなぁと思いますね。(おぐち)

■神楽鈴奈
108_鈴奈
鈴奈ちゃん、
鈴奈ちゃんはある意味自然に愛される記号が揃っているキャラクターなんですよね。
おっとりしてて優しくて女性的なラインだし、みたいな。
それらがトラップになっている子ですよね。(山中)

そうですね、維弦くんと同じで見た目だけで強い。
あ、でも他はキャッチーですけれど髪型だけはちょっと挑戦しましたよね。
男が考えた男による可愛さじゃなくて、
女性目線の可愛さにつながればいいなって。(おぐち)

編み込んで、巻きつけて、っていう髪型すごく好きなんですけど男からすると
「どうなってんのそれ??」ってとっても謎なんですよね。
その神秘性が魅力につながっている気がします。(山中)

■守田鳴子
106_鳴子
鳴子は好きなものを好きなように着る子ですよね。
幼さもあるけれどそれに衒いがない。気持ちいいですよね。
時代と他人を突き放すファッションという意味で
琴乃と対極にいるのかなって。(山中)

そうですね。サブカルチックというか、
日常の街を歩いているとあんまり出会わないけれど、
ゲームやアニメにはよく記号として存在しているアイテムが多いので、
他の帰宅部たちと並べたときに
見た人が違和感を覚えてくれるといいですよね。(おぐち)

■天本彩声
110_天本 彩声
あがってきたときはテンション上がりましたね。
5人目として理想的なバランスだなって。
良い顔してるなぁってずっと話してた気がする……
見た目としてはミッション系の制服をイメージしました。
異性を遠ざける神性が備わるような気がしました。(山中)

主人公との関係性を前提にしている子なので、男主人公の横にいても、
女主人公の横にいても想像が膨らむような子にしたいなぁと思っていましたね。
リボンの色はセクシュアルカラーを仕込んだんですけれど、
あまり言及されなかったですね。(おぐち)

■アリア(小)
302_アリア
デフォルメに関してはこだわりましたね。
一般的な「頭が大きくて体が小さい」というものでは
ちょっと合わないだろうなということで。(山中)

そうですね、
僕の仕事の中でもミニキャラを描く機会ってなかなかないので。
自分の中でも試したいことがあって……
それが「鉄腕アトム」のウランちゃんのような
足の長いデフォルメだったんですよね。
うまくハマッた気がします。(おぐち)

普通のミニキャラだとそういう生命体というよりも、
ギャグデフォルメのようにも見えてしまうので、これは正解でしたね。
作品内でも逆暗いことも多い旅路の中で、灯台のような存在です。
キャラシナリオは特にアリアがいないと成立しませんでしたね。(山中)