【2周年記念】Ostinato ドラマCD脚本⑥ 『シャドウナイフ』
★この記事はカリギュラセルフカバーアルバム『Ostinato』の
店舗限定特典の楽士コメントCDの脚本となります。
本編のネタバレも含まれますのでご了承くださいませ。
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【シャドウナイフ】
//収録前のブース内
……曲の紹介?
フム……このCDを購入した視聴者に向けてか。
いや、構わん。
こういった活動もメビウスの維持には必要だ。
原稿はあるのか?
うむ……ンン……
「宮比市限定販売・オスティナートの楽士セルフカバーアルバムを購入いただいた皆さま、
ありがとうございます。闇の守護者、シャドウナイフと申します……」
//深く間をとって
……違うッ!! 全然違うだろうが!
何故わからん! 闇では弱い!
「こんな感じがシャドウナイフっぽいだろ」みたいな感じでおざなりに扱うな、
その手のワードを!! 俺を愚弄する気か!!
暗闇(くらやみ)!暗黒(あんこく)!晦冥(かいめい)!冥闇(めいあん)!!
少し頭をひねれば色々あるだろう!!
ハァ……ハァ…… //※息切れ
も、もういい。
その原稿はいらん。こうやるんだ、見ておけ。
ゴホンッ //※咳払い
我が名は昏(くら)き刃、シャドウナイフ……。
宵闇と、人々の罪が産んだ存在。
この世界に跋扈(ばっこ)する愚かなる咎人(とがびと)を断罪することしか出来ぬ
呪われしこの身を、お前たちは歌姫の守護者などと呼んでいるそうだな。
フッ……まったく……皮肉なことだな。
さて、お前たちが手に入れたその円盤は、この地でしか得られない価値あるものだ。
その僥倖、噛みしめるが良い。
我らオスティナートの楽士の制作した楽曲を、自らが歌いあげるという
禁断の所業が収録されている。
クッ……フハハッ……神をも恐れぬ行為だとでも言いたいのか?
違うな……、この世界の女神は我らと共に居る。
同胞(はらから)よ、何も恐れることはない。
この円盤に収録されている、俺の産み出した調べの名は
『sin』(シン)……そう、罪だ。
人は誰しも罪を犯す。それ自体が問題なのではない。
己の犯した罪を忘れ、己の罪を自覚せず、ただ漫然と日々を過ごす……
それこそが悪だ!!
悪は誅滅(ちゅうめつ)する。
このシャドウナイフが、神に代わってな!!
ハーハハハッハッハッハッ!!!
……以上だ。
つかの間の遊興だが、楽しんでくれ。
迷える子羊のため、自らの手を鮮血に濡らす日々を送る俺にとって、
この世界が少しでも幸福に満ちることが唯一の救いとなるのだから……。
//※間
録れたか?
あぁ、聞き直す必要はない。大丈夫だ。
ご苦労だったな。
//※フェードアウト